行政書士試験の記述式問題において、最も対策が難しいと言われるのが民法です。
記述式は3問中2問が民法から出題され、配点は合計40点。合否を左右する重要分野であるにもかかわらず、
- 「民法は範囲が広すぎて何を勉強すればいいか分からない」
- 「記述式で何を書けば点がもらえるのか不安」
- 「条文は覚えているが、文章にできない」
と感じている初学者の方は非常に多いのが実情です。
しかし、民法の記述式は出題されやすい分野・論点がかなり絞られています。
本記事では、行政書士試験を初めて受験する方に向けて、
**民法記述で「必ず押さえるべき分野」「書くべき内容」「対策の考え方」**を分かりやすく解説します。
民法記述式の基本的な特徴を理解しよう
まず、民法記述式の前提を整理します。
- 出題数:2問
- 文字数:40字程度
- 問われる内容:事例形式が中心
- 採点:キーワード重視(部分点あり)
民法記述は、条文や判例を丸暗記していれば書ける問題ではありません。
一方で、論文のような高度な文章力も不要です。
重要なのは、
- 法律関係を正しく整理できるか
- 結論を端的に示せるか
- 必要なキーワードを落とさないか
この3点です。
民法記述で最優先で押さえるべき分野【結論】
民法記述対策で、初学者が優先すべき分野は次のとおりです。
これらは、毎年のように形を変えて出題される超頻出分野です。
以下、各分野ごとに「押さえるべき内容」と「記述で書くポイント」を解説します。
- 意思表示
- 代理
- 契約(債権総論)
- 債務不履行・解除
- 物権変動・対抗要件
- 時効

① 意思表示|民法記述の王道分野
意思表示は、民法記述で最も出題されやすい分野の一つです。
押さえるべき内容
- 錯誤
- 詐欺・強迫
- 虚偽表示
- 心裡留保
記述で問われやすいポイント
- 行為の効力(無効 or 取消し)
- 第三者との関係
- 善意・悪意の区別
書くべき基本構成
○○に該当するため、当該意思表示は取消すことができる。
「無効か」「取消しか」を間違えないことが最重要です。
② 代理|記述式の超頻出テーマ
代理は、事例問題と相性が良く、記述式で非常に出題されやすい分野です。
押さえるべき内容
- 代理権の範囲
- 無権代理
- 表見代理
記述でのキーワード
- 代理権
- 無権代理行為
- 相手方の善意無過失
- 本人に効果が帰属するか
書くべき方向性
表見代理が成立するため、本人に対して効果が帰属する。
表見代理の「要件を満たすか否か」が判断ポイントになります。
③ 契約(債権総論)|民法記述の土台
契約は、ほぼすべての民法記述のベースになります。
押さえるべき内容
- 契約の成立
- 債務の内容
- 信義則
記述でよく問われる視点
- 当事者の権利義務
- 契約上の責任
「契約が成立しているか」「どんな義務が発生しているか」を正確に書けることが重要です。
④ 債務不履行・解除|実務的で狙われやすい
押さえるべき内容
- 履行遅滞
- 履行不能
- 不完全履行
- 契約解除
記述での鉄板フレーズ
債務不履行に該当するため、解除することができる。
解除の要件(帰責事由・催告の有無)を意識しましょう。
⑤ 物権変動・対抗要件|短文でも点が取りやすい
押さえるべき内容
- 不動産の物権変動
- 登記
- 第三者対抗要件
記述で重要な点
- 登記の有無
- 第三者に対抗できるか
登記を備えていないため、第三者に対抗できない。
この一文だけで点が入るケースもあります。
⑥ 時効|条文知識がそのまま使える
押さえるべき内容
- 消滅時効
- 取得時効
- 時効完成の効果
記述で狙われるポイント
- 起算点
- 完成の有無
- 援用の要否
比較的「条文どおり書けば点になる」分野です。
民法記述で「何を書けばいいか分からない」人への解決策
民法記述が苦手な原因の多くは、
「全部書こうとしている」
点にあります。
記述式では、
- 結論
- 最低限の理由
- キーワード
これだけで十分です。
ダメな考え方
× 完璧な説明を書こう
× 条文を丸写ししよう
正しい考え方
○ 点が入る文を書く
○ キーワードを入れる
民法記述の現実的な目標設定
初学者が目指すべきラインは、
- 1問10〜12点
- 2問で20点前後
満点は不要です。
部分点を積み重ねることが合格への近道です。
まとめ|民法記述は「出るところだけ」やればいい
行政書士試験の民法記述は、
範囲は広いが、出る論点は限られています。
- 意思表示
- 代理
- 契約・債務不履行
- 物権変動
- 時効
この5〜6分野を重点的に対策すれば、
民法記述は「得点源」に変わります。
まずは模範解答を読み、
「どんな結論を書いているのか」
「どんなキーワードが使われているのか」
を意識するところから始めてみてください。
